4 第四章 狂い人
第六話 どうやら見くびっていたみたいだ
イセイとオキヒは、冥界としてふさわしい土地を求めて探索していた。入口をなくしてしまえば人や獣が侵入しない広い洞窟が適しているだろうとシキから助言を受けていたので、条件に合っているか気を配って辺りを観察する。 残念ながら、その日は適した... 4 第四章 狂い人
第五話 オトヤとアズサ
ウチナリとアズサ、先ほど戻ってきたオトヤは新たに竪穴住居、タカハさんのところへ戻ったほうがいいか。すれ違いになるかもしれないから、俺はこのまま外周を回って戻る。オトヤとアズサは村の中心部を回りながら戻ってくれ。危ないと思ったらすぐ逃げ... 4 第四章 狂い人
第四話 どうしてこう、うちの女たちは頼りになるかね
月が明るい。手を動かすとくっきりした影がついてくる。見慣れた景色でも色がないだけでなんだか別の世界に来てしまったみたいだ。一眠りしてしまったからだろうか。いつもならぐっすり眠っている時間だが、ヤネリはすっきりと目覚めていた。ウチナリに... 4 第四章 狂い人
第三話 別の生き物に変わっている
タオツキがオキヒにやられた傷はすぐに治るものではなかった。だが、ようやく不自由なく動けるくらいに回復したため、墓を暴いて一軒ずつ村人の竪穴住居むその単語は、なんだったろう。ここにもう人はいない、獲物を探せと声がする。タオツキはその言葉... 4 第四章 狂い人
第二話 やはり生きていなかった
ウチナリは数日前、幼い頃から世話になり同僚だったサマトとその妻であり幼馴染のヨミヤ、二人の息子のヒウチの死に直面した。間を置かずにヒウチの弟、サクの亡骸いてみる。人や獣の気配はない。「まあ、気のせいか」 いろいろなことがあり過ぎて過敏... 4 第四章 狂い人
第一話 狂い人たちの行進とともに、夜の宴が始まる。
夜。数日前に狼の群れを一掃した村の時間は穏やかに流れている。村の外れには、大勢の村人たちの遺骸が甕棺き声を上げ、やがて甕棺を砕きながら這い出ていく。 ゆらり、ゆらり。 村人だった者たちは泥だらけのまま立ち上がる。闇の中、雲の切れ間か... 3 第三章 穢れ
第三章の登場人物(第三章のネタバレあり)
ヤマク村 ワケノ:三十歳。村長。ウチナリの育ての親、武術と鍛冶の師匠。 タカハ:三十歳。ワケノの夫。ウチナリの育ての親、武術と鍛冶の師匠。 ヤネリ:五歳。家族を失いウチナリに引き取られる。 サク:七歳。故人。ヤネリの兄。 マホ:0歳。ヤネリの... 3 第三章 穢れ
第四話 いつからこの状況を予想していたんだろうね
「あなたが、あのホムラ様ですか」 ホムラは世界の誕生とともに地上を放浪する神である。「僕は神としては何もしてないんだけど。君は何の神様?月宮す。「なるほど、わかりました。冥界を生み出すお役目に取り掛からせていただきます。ホムラ様、至らぬ... 3 第三章 穢れ
第三話 ようやく再開できましたね
イセイが弦のない弓を引くと、風の矢が放たれ狼の身体に穴があいた。はたから見れば射られた狼は、何もないところで壁にぶつかっているように見える。射られた狼は一射では止まらない。頭の半分ないもの、上半身だけで動いているものなど、一目で生きて... 2 第二章 月宮
第二章の登場人物
月宮:神々が住む月の世界。 ウジ:原初の神。女神。ホムラ:炎の神。男神。世界の始まりとともに誕生する。クハラ:天神。男神。神を生む神。ムスビ:地母神。女神。生き物を生む神。ヒルメ:太陽神。女神。ヒノワ:月神。男神。イセ:風神。男神。ミツハ...
