4 第四章 狂い人
第三話 別の生き物に変わっている
タオツキがオキヒにやられた傷はすぐに治るものではなかった。だが、ようやく不自由なく動けるくらいに回復したため、墓を暴いて一軒ずつ村人の竪穴住居むその単語は、なんだったろう。ここにもう人はいない、獲物を探せと声がする。タオツキはその言葉... 4 第四章 狂い人
第二話 やはり生きていなかった
ウチナリは数日前、幼い頃から世話になり同僚だったサマトとその妻であり幼馴染のヨミヤ、二人の息子のヒウチの死に直面した。間を置かずにヒウチの弟、サクの亡骸いてみる。人や獣の気配はない。「まあ、気のせいか」 いろいろなことがあり過ぎて過敏... 4 第四章 狂い人
第一話 狂い人たちの行進とともに、夜の宴が始まる。
夜。数日前に狼の群れを一掃した村の時間は穏やかに流れている。村の外れには、大勢の村人たちの遺骸が甕棺き声を上げ、やがて甕棺を砕きながら這い出ていく。 ゆらり、ゆらり。 村人だった者たちは泥だらけのまま立ち上がる。闇の中、雲の切れ間か... 3 第三章 穢れ
第三章の登場人物(第三章のネタバレあり)
ヤマク村 ワケノ:三十歳。村長。ウチナリの育ての親、武術と鍛冶の師匠。 タカハ:三十歳。ワケノの夫。ウチナリの育ての親、武術と鍛冶の師匠。 ヤネリ:五歳。家族を失いウチナリに引き取られる。 サク:七歳。故人。ヤネリの兄。 マホ:0歳。ヤネリの... 3 第三章 穢れ
第四話 いつからこの状況を予想していたんだろうね
「あなたが、あのホムラ様ですか」 ホムラは世界の誕生とともに地上を放浪する神である。「僕は神としては何もしてないんだけど。君は何の神様?月宮す。「なるほど、わかりました。冥界を生み出すお役目に取り掛からせていただきます。ホムラ様、至らぬ... 3 第三章 穢れ
第三話 ようやく再開できましたね
イセイが弦のない弓を引くと、風の矢が放たれ狼の身体に穴があいた。はたから見れば射られた狼は、何もないところで壁にぶつかっているように見える。射られた狼は一射では止まらない。頭の半分ないもの、上半身だけで動いているものなど、一目で生きて... 2 第二章 月宮
第二章の登場人物
月宮:神々が住む月の世界。 ウジ:原初の神。女神。ホムラ:炎の神。男神。世界の始まりとともに誕生する。クハラ:天神。男神。神を生む神。ムスビ:地母神。女神。生き物を生む神。ヒルメ:太陽神。女神。ヒノワ:月神。男神。イセ:風神。男神。ミツハ... 3 第三章 穢れ
第二話 首にかけた勾玉が強烈な光を放つ。
灰色の毛並み。もし首がついていれば、大人よりも背丈が高かっただろう。首の周りには、赤黒い染みが広がっている。首の断面、肉の中心より少し上の辺りに白い骨が見える。昨日、首を落とした狼のように思われた。 剣を構え、獣に突進する。獣の動きは... 3 第三章 穢れ
第一話 すでに、何者かの間合いに入ってしまった
両親を失ってしまったヤネリは、ウチナリに引き取られることになった。また、生まれたばかりのヤネリの妹はマホと名付けられ、暮らしに余裕のある村長の家で育てられることに決まった。 ミヒルとイセイ、オキヒは村長宅に一泊し、情報を交換していた。... 2 第二章 月宮
第五話 お前は私の眷属になった。
「これは隠舟といって、一時的に神の力を使えるようにするものだから。地上には何があるかわからないから、気をつけて。」 イセは二柱を激励する。「いろいろと準備していただき、ありがとうございます。無事に務めを果たしてきます」 シラスに気負いは...
